魔術とは?

ここで一つ最初に明記して置かねばならない事は、
魔術といっても火の玉がドーンとか、氷がガシャーンとか、雷がバリーンとか、
そういった自然の理に真っ向から反するような訳の解らない技術の説明ではない。

現代における魔術とは、ある種の考え方そのものなのだと思っている。

人間は通常持てる力の3%~10%程度しか使われていないと言われている。

人間の意識層は大まかに分けて3つほどの層が有る。
一番上は表層意識、普段自分の知覚できている意識であり、日常最も用いられる。
その下に個人的無意識、俗に言う無意識であり、知らず知らずの内に表層意識に影響を与える。
夢などでもこの無意識と表層意識の境目が理性を眠らせる事で緩くなり、表層意識によって知覚出来る時が有る。
最後に集合的無意識、人間の根底を流れる全ての人間に共通の感情、思想、原始的イメージを内包している。

そして人間が知覚できている表層意識は知らず知らず多大な影響を無意識層から受けている。

現代、魔術師の行う事は主にこの無意識の力を整理し、思うがままに方向性を与え、
その力を利用し自己の変革を行う事。
そして、その過程で奇跡とも取れる偶然を誘発させていく事が出来る。という事。

バタフライ現象と言われるような話が有る。
大陸の端っこで蝶が飛んだら大陸の反対側で台風が起きる。というような話で、
実際にそんな事が起きるので有れば世の中いっつも暴風域っぽいが、
要するにそういう事。

いかに小さなキッカケであっても、それが未来、凄い力を持って帰ってくる。
魔術で起こす奇跡も、儀式の最中に人間の無意識に自己暗示を掛け、儀式を閉じ、
儀式の事なんか忘れた頃に、普段の生活中、

「あれ?今なんでこんな行動を取ってしまったのだろう…?」

といったキッカケを誘発、結果、それが原因で願いが叶った。という感じじゃなかろうか。

といっても自分はまだ魔術の世界に足を踏み入れる一歩手前で躓いている程度なので、
この考察(?)も本物の魔術師の方が読んだら失笑を買うものかもしれない。